向こう側

こんばんは。

 

最近はなぜかお預かりが集中する傾向にあり、駐車場がオープンカーだらけ。

手前2台はフィアットバルケッタとプント。

ほわんとした顔のバルケッタちゃんと、小さいくせに目つきの悪いプントくんが好対照。

同じ時期に販売していた車両ですが、ずいぶんデザイン傾向が違います。

ちなみに、うちのプントくんは違いますが、

バルケッタのエンジンをプントに積んだHGTアバルトというグレードもあります。

ちょっとプントの車体だと1.8Lのエンジンはフロントヘビー気味らしいですが。

 

奥はちょっと前に御紹介したMG-TD、隣はBMW・Z3、

ガレージ内にちらっと見えているのがメルセデスベンツのSLクラス(R129)です。

 

R129はたまたま2台ほぼ同時に入庫しました。

こちらは直6 3.2リッターのSL320。

軽めのエンジンで、一番軽やかな走りが楽しめるのではないかと思います。

 

 

幌は元と同じ黒色で、生地は最高級のGermanA5。

 

一方こちらは泣く子も黙る、もしくは余計に泣き喚く、V12エンジン搭載のSL600 6.0 AMG。

その性格に合わせて幌も派手目なGermanA5のボルドーをチョイス。

 

エンブレムチューンじゃありません、ちゃんとV12入ってますよ。

 

このあたりの処理が難しいのですが、綺麗に出来ました。

オーナーさんも「純正より綺麗」と満足してくださいました。

良かった良かった、だってめちゃくちゃ苦労しましたから。

2台あわせて40時間くらい作業したかもしれません。

 

この車、リアスクリーンだけ交換できるように、という配慮だと思うのですが、

屋根部とリアスクリーン部、前後セパレートの2ピース構造になっておりまして、

張り具合の調整をこの前後の継ぎ目部分でやっていかないといけないという、

かなりややこしい構造なのです。

途中、このままほっぽり出して逃げ出したいと何度思ったことか。

 

残念なことに、そこらを走っているR129のほとんどはハードトップをかぶっておりますね。

せっかくのオープンカーなのに、あんなクソ重たい屋根を被せてしまったら、

滅多なことではオープン走行なんて楽しめません。

ぜひ、自分好みの綺麗な幌に張り替えて、オープンカーとして楽しんでいただければと思います。

 

 

フロント部がAピラーに合わせて凹んでいるのが特徴的ですね。

 

 

骨組は一昔前のメルセデスでおなじみの超過剰気味・高品質仕様。

主だった部分はほとんどピカピカのメッキで覆われています。

こんなところ、開閉時しか見えないのに・・・

 

ここだってほら、ビッカビカです。

その他、どこもかしこも笑っちゃうくらい高品質で金がかかっています。

カーペットだって、国会議事堂か!と思うくらいフッカフカで厚みがありますし。

いやぁ、本当に素晴らしい。

今のメルセデスは全然こんなことありません。

だって、こんな変態的こだわりを持ったまま作り続けていたとしたら、たぶんとっくに倒産してます。

今は電子部品やら快適装備やらにリソースを割かないといけない時代ですから、

こういうところにお金を掛けられる時代はもう来ないでしょう。

 

それにしても、V12エンジン、こりゃたまらんですね。

エンジンスタートの時からしてもう、最高にしびれます。

12個ものピストンを持ったクランクを回さないといけないわけですから、

セルモーターも非常に力強く、甲高い音とともにスタート。

ヒューヒュヒュヒュヒュッっとやや長めに回ったあと12個ものシリンダーが順次点火され、

ボンッ!という爆発音とともに目覚めます。

この瞬間はやや近所迷惑な感じですが、一度始動してしまえばそこは12気筒、

極めてスムーズな回転で、安定したアイドリング状態を保ちます。

 

そしてひとたび走り出したら・・・・走っていないので分かりませんが、

それはそれは余裕のある走りを見せてくれるはず。

超巨大なV12エンジンをフロントに積んでいるわけですから、

峠道などでは軽快感とかそういったものとは一切無縁でしょう、きっと。

でもいいんです!

なんたって天下のV12ですから。

燃費が悪かろうが、重たかろうが、整備性が悪かろうがなんだろうが、

12個ものシリンダーを持っている時点で何よりも偉いのです!

 

店長は目覚めました、時代は今、V12エンジンです。

 

以前はフェラーリにも目覚めました。

しかし、一旦飽きました。

が、しかし、今回V12エンジンという存在を知ってしまいました。

つまりどうすればいいかというと、それ即ち、「V12+フェラーリ」

そう、V12エンジンのフェラーリを買えば全て解決するではないか!という結論に至ったのです。

 

いつかV12のフェラーリを手に入れる!

既に嫁さんにも決意の程を伝え、了承を得ました。

はぁ、まぁ、好きにしたら?と。

さすが、よくわかっていらっしゃる。

 

10年後か20年後か知りませんが、とにかくV12フェラーリを手に入れよう。

幸いV12フェラーリは、そのGTカー的な性質やスタイリング、

そして何より維持費の高さなどから中古車市場では敬遠されがちであり、

V8と比べると比較的リーズナブル?(どこが)に思えなくもない値付けがなされているのです。

例えば456GTなんか400万くらいからあります。

比較的新しい612スカリエッティだって1000万ちょっとから。

599GTBもかなり下がってきておりますし、

その突飛なスタイルから賛否両論のFFもそのうちガクンと下がるでしょう。

 

まぁ、とにかく、人生で一度乗ってみたい、V12フェラーリ。

乗ってみて、あぁ、やっぱりスポーツカーはライトウェイトだわ、と思えばまた帰ってくればいいのです。

負け惜しみのライトウェイトではなく、V12を知った上でのライトウェイト。

これはもう、説得力が全然違いますね。

やっぱりロードスターは偉大だよ、と。

ドヤ顔で言ってやりますよ。

 

というわけで店長、行って参ります、あちら側の世界へ。