★店長日記★

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こんばんは。

今回は色々とてんこ盛りで紹介させていただきます。

 

まずはオーナーさんがDIYで交換された車両の御紹介。

ベルトラインモールも交換されたようです。

養生もバッチリで安心ですね。

使用している養生テープはパイオランテープでしょうか。

この緑のタイプは養生テープとしては粘着力が強めですので、

塗膜が劣化している車両の場合はご注意ください。

古い車両の場合は青色の粘着力が弱いタイプのほうがいいかもしれません。

 

こちらが完成写真。

ワンピースのガラス幌、Stayfastのタンです。

一切のたるみ、シワもなく非常に綺麗に張れていますね。

 

骨組の位置調整もバッチリです。

 

作業は試行錯誤の繰り返しで、結局丸二日かかってしまいかなり苦労されたようですが、

「振り返ってみれば楽しかったなぁ」とのことで、良い思い出になったようで良かったです。

 

が、しかし!最後に一言。

「やっぱり(当店に)お願いすればよかった」

だそうです。

 

楽しかった思い出はそのままに、次回の幌交換依頼をお待ちしております!

 

 

さて、次からは当店での作業。

こちらはいかにも秋らしい、オレンジのボディにバーガンディの幌。

たぶんプレミアムパッショネイトオレンジかな?

ボディだけだと名前の通りパッションな感じですが、

差し色で赤が入った途端、秋らしくなってくるから不思議です。

さながら美味しく実った柿のよう。

 

こちらはブルーのボディにダークブルーの幌。

この2台、どちらも後期型の車両です。

この後期用純正ホイール、立体感があってかっこいいですねぇ。

 

 

こちらはMR-S。

史上最高レベルに排水口が詰まっていたので記念撮影。

針金でホジホジしてもちっとも流れないくらい、排水管にビッシリ泥が詰まっていました。

ただ、矢印のサブ排水口が生きていたので車内への浸水はなく一安心。

完成写真はありません。

 

 

お次はS2000。

ボディの全塗装が完了し、最後の仕上げとして幌交換のご依頼です。

ボディが綺麗になっても幌がこれじゃぱっとしませんからね。

今回はベルトラインモールとフロントルーフウェザーストリップ、

幌側のウェザーストリップ6点も合わせて交換いたしました。

 

 

今回は全塗装時にフロントピラーモールも交換していたのですが・・・・

あれ、ツメが一本も無い。

 

元々のパーツだと・・・・

このように邪魔くさい3本のツメが生えていたのです。

これのせいでウェザーストリップが付けにくく、非常に邪魔だなぁと思っていのですが、

やはりメーカー側としても非常に邪魔だったらしく、一本も残らず見事に廃止されておりました。

わざわざ作り直すくらいですから、よっぽど邪魔且つ不要な部分だったのでしょうね。

こういう地味なところをきちんと改良する姿勢は評価できます。

 

 

こちらは頭上のゴムバンドを止めているプレートです。

雨漏りしていなくても湿気や寒暖差が多い環境だと結露してこのように錆びてしまいます。

せっかくボディも綺麗になったので、サービスで新品に交換しておきました。

 

で、出来上がり。

グレーメタリックのボディにバーガンディの幌です。

ホイールはまだ暫定措置でして、とりあえずGT-Rのものを履いています。

 

写真だとソリッドのグレーのように見えますが、ちゃんとメタルが入っています。

あとはどんなホイールを履かせるのか、楽しみですね。

 

 

そしてこちらは店長が新たに手に入れたアイテム。

マキタの充電式ライトです。

幌交換は狭いところに潜り込んでコチョコチョと作業することが多いので照明の確保が重要なのですが、

今までなかなかしっくりくるライトが無かったのです。

懐中電灯タイプだと手に持っていないとなかなか狙ったところを照らせないし、

頭につけるタイプは便利だけど、だんだんずれてきてしまい邪魔臭い。

思い起こせはずいぶん色々なライトを試してきました。

 

そして今回やっと出合ったこちらのライト(前から知ってたけど)、これが実に素晴らしい!

なにが素晴らしいって、まず電動工具用の強力なバッテリーを使うので非常に明るい。

また、他の工具と共用のバッテリーなので使い回しが可能。

(当店の場合、掃除機2台とステープラーのバッテリーが共用。)

 

さらにバッテリー部分の底が平らで重たいので、安定して自立してくれます。

 

そして、安定した自立からの・・・

 

このナイスなひねり具合!

「ご主人、ここ?ここ照らせばいいですか??」的な、

たかだか工具のくせに愛嬌すら感じさせる絶妙な角度。

(※自動追尾機能はありません。)

ピクサーアニメの冒頭に出てくる電気スタンド(「ルクソーJr.」というらしい)を彷彿とさせます。

 

もちろん、首は上にも横にも下にも、どっちにも向けることが可能ですので、

全体を照らすにも、ピンポイントで照らすにも、あらゆる用途にもってこいの素晴らしいアイテムです。

非常時には部屋全体をそこそこ明るく照らすくらいの照度がありますので、

18Vボルトの掃除機とあわせて、一般家庭にも是非常備しておきたいですね。

 

それでは、また。

 

こんばんは。

本日はボルボ・C70の御紹介。

 

交換動機は・・・

毎度おなじみガラス脱落。

全周に渡って完全に剥がれてしまっております。

室内側に色々荷物が突っ込んでありますが、これがガラスの支えになっております。

一見適当に突っ込んであるように見えて、実はどれも適切なサイズとなっており、妙に感心しました。

 

また、後部のロック爪が入る穴の横がなぜか破れていたのですが・・・・

 

本来真っ直ぐに立っているはずの爪が、固着して寝たままになってしまっていたのが原因でした。

こちらは幌庫格納時に邪魔にならないよう、根元から倒れる仕組みになっているのです。

 

固着を解消し、グリスアップをしたらきちんと真っ直ぐ立つようになりました。

その他、ヘッドライナーを引っ張るベルトも切れていたので補修。

これでたぶん当分は大丈夫。

 

ちなみにC70の後部はこんなにガッツリ持ち上がります。

垂直を超えて、さらに前方向までこんなに開くのは珍しいです。

 

 

で、出来上がり。

鮮やかな赤のボディに渋い光沢を放つ黒の幌。

非常にかっこよく仕上がりました。

 

天気がいいのでグレーっぽく見えていますが黒ですよ。

Stayfast生地だとここまで反射しないのですが、

Twillfast IIだと割と光沢感があるので、太陽の下だとこんな感じに見えます。

まぁ、写真がやや露出オーバーなのもありますが。

GermanA5もこんな感じです。

 

ところで、生地の違いが良く分からん、という問い合わせを頻繁に頂くので、

各生地の特徴をまとめたページを作成してみました。

ご検討中の方は予備知識としてぜひ見てみてください。

http://www.auto-tops.com/page/25

 

ついでに、幌の劣化についてまとめたページも作りましたよ。

http://www.auto-tops.com/page/24

 

 

余談ですが、C70の骨組は、他のどの車種よりも骨の数が多くなっております。

横方向の骨のことを「ボウ」というふうに呼ぶのですが、C70の場合、合計7本ものボウを持っております。

特に一番後ろはかなり近い距離に2本のボウが入っており、骨組設計へのこだわりが感じられます。

こんなに入っているのはボルボだけ!

 

って、よく見たら④が抜けてますね。

画像を直すのは面倒なのでそのままにしときます・・・・合計6本!

あれ、なんかそんなに多くも無いような気がしてきた。

 

それでは、また。

こんばんは。

 

結構頻繁に交換させていただいているのですが、

なぜかタイミングが悪く写真が撮れないことの多いBMW・Z3。

今回やっと久しぶりに撮影できましたので御紹介。

 

無難な黒の幌なのですが、

こちらのお車、ボディが非常に輝いておりまして、

メリハリの利いたいい感じの仕上がりになりました。

 

このシルバーボディ、メタル成分が多めなのかなんだか知りませんが、

とにかくやたらと輝いているのです。

よく見ればあちらこちらに年式相応の傷はありますが、

ボディの輝きはまだまだ一級品ですので、是非大切に乗っていただければと思います。

 

Z3の幌はシルエットに無理がなくクリーンな印象で、大変バランスがいいと思います。

閉じていても全体的に美しいプロポーション。

一応幌屋なので、形のいい幌、作りのいい幌など、車種ごとに色々思うところがあります。

 

カメラ任せの露出だとボディのあまりの煌きっぷりにドアンダーになってしまい、

車体の下の陰など完全に真っ黒けです。

もっとダイナミックレンジの広い一眼が欲しいなぁ。(HDR撮影はイヤ)

現在ひねくれてペンタックスにしていますが、Nikonの上位機種とか正直羨ましい。

なんなんですか、あの高画質は。

同じひねくれチョイスとしてSONYのαなどはどうなのだろうか。

最近はボディデザインもわが道を突き進んでいていい感じです。

イメージセンサの開発元だし、きっと自社向けに最高にいいやつを用意してるはず?

 

Z3の幌は綺麗にパンパンに張ることができるので、手順は少々面倒でもやりがいがあります。

一番良く出る黒は常に在庫を置いておりますので、比較的早急に対応可能です。

今回のようにボディが輝いてさえいれば幌交換で見違えますよ。

是非お気軽にご相談ください。

 

それでは、また。

こんばんは。

今回はメルセデスベンツ・SLクラス(R129)の御紹介。

 

もう3台目だし余裕だぜ!と思いきや・・・・やっぱり超難しいR129。

なんでこんなに難しいのでしょう。

純正品ならばもっと簡単なのでしょうか?

出来れば一度張ってみたいものです。

 

 

 

R129の幌はご覧の通り幌の後部が持ち上がり、

次に格納庫のフタが開き、その中に畳み込まれる構造となっております。

この構造自体は多くのオープンカーで採用されている方式なのですが・・・

 

例えばこちら、アウディA4カブリオレ。

格納庫のフタの上に幌後部が乗っています。

つまり幌よりも格納部のふたのほうが大きい。

そりゃまあ、当たり前ですよね。

そうでないと入らない。

 

 

同じメルセデスのCLKカブリオレも・・・・

やはり格納部のフタのほうが大きい。

他の車種も全てこうです。

 

ところがどっこい、R129の幌は・・・・

あれ、フタが見えない。

どこに行ったのか?

正解は、幌の下に完全に隠れてしまっております。

格納庫のふたよりも幌のほうが大きいのです。

 

これはSLクラスのより古いモデルであるW113やR107でも同様。

 

 

ではどうやって幌を収納しているのかと言うと・・・

 

上から見ると、普段幌が閉まっている時は、ご覧の通り幌がフタよりもはみ出しています。

 

 

 

 

ところが、幌を格納するときには・・・・

幌が格納庫の入り口に入るよう、幌後部が全体的に前へ移動するのです。

実際にその機構をみると、よくまぁここまでやるもんだなぁと感心します。

これだとサイドが入らなくないかって?

ご安心ください。

サイドも内側に引っ込んで幅が縮まる構造になっています。

 

なぜここまでして、フタが外から見えないようにしたのか。

カッコイイから?それとも雨仕舞いがいいから?

真相は良く分かりませんが、そのオーバークオリティな素材といい機構といい、

さすがはメルセデス、と思わせてくれる納得の作りです。

 

巷でよく言われる古いメルセデスの作りのよさ、

まだ体感したことがないという人は是非一度細部までじっくり観察してみてください。

熱狂的なファンがいるのもうなずける、素晴らしく手の込んだ作りになっております。

 

 

さて、話は変わって、幌交換でよく使うステープル。

2、3年かかってやっと一箱を使い終えました。

この一箱で2500発も入っていますからね。

 

というわけで追加で買わなくちゃ、とAMAZONやら何やらで見てみるも・・・・

高っ、こんなもんが2500円とかするのです!

 

ところがどっこい、たまに購入しているマキタ専門ショップさんのサイトを見てみると、

なんと500円で売ってるではありませんか!

最初は目を疑いましたが、なんでも在庫処分特価とのこと。

いくら在庫処分ったって、こりゃさすがに下げすぎじゃありませんか??

まぁ、余程邪魔で邪魔で仕方が無く、さっさと処分したいのでしょう。

それならばお言葉に甘えて、ということで4箱購入。

これで当分持ちますね。

 

が、しかし、届いてみると・・・・

おかしい、なにやら少々箱が大きい気がする。

いや、気がするレベルではない。

 

 

開けてみると・・・

ガビーン!!

私の求めていたものが中に6個も入っています。

どうも定価が高いなぁと思ったら、小箱が6個入って一箱だったのです。

 

ということは、調子に乗って4箱買ってしまった私は・・・

ワオ、合計小箱24箱、6万発ものステープルをゲットしてしまいました。

これいつ使い終わるんだ?

これからの人生で6万発もステープルを打つかと思うと少々うんざりします。

まぁ、安かったからいいんですけどね。

弾数は多いほど安心ですし。

マキタショップさん、いつもありがとう。

 

もっとも、最初は調子に乗って10箱買おうかと思っていたのです。

10箱っていったら脅威の15万発!

社員数名雇って幌を張りまくっても使い終わるかどうか不明なレベル。

衝動買いには気をつけましょう。

 

というわけで、これからはいつもより多めに打ってまいりたいと思います。

皆様どうぞよろしく。

こんばんは。

今日はS2000のご紹介。

 

作業開始前のお客さんとの打ち合わせで、

レインレール周りから雨漏りしているようだ、と聞いていたのですが、

オウ、幌を外してみたら、モールディングの水切りが見事に脱落しています。

以前から「これ、実はなくてもいいんじゃないかなー?」とほんのり思いつつ、

脱落していれば一応付け直していたのですか、

今回これだけガッツリ外れて雨漏りの原因となっていることが確認できましたので、

これからも引き続き外れていれば補修していきたいと思います。

 

「実は無くても問題ない」っていうほうを期待していたのですがやはりないとダメでした。

なぜって、以前も書きましたがこれの補修、結構手間がかかるのです。

全部で3本あるのですが、今回はフルコンプリート脱落。

短いやつはほぼ100%脱落していますが、短いぶん補修も簡単。

長いやつは脱落率20%くらいな印象ですが、落ちてしまっていると非常に面倒。

妙にしっかり着いている車両もあれば、ちょっとつついただけでポロッと落ちてしまう車両もあります。

いつも 「取れませんように」 とビクビクしながらチョンチョンつついてます。

 

付け直したあとはこんな感じ。

矢印のところにちょっと見えている部分がそうです。

これっぽっちのベロが有るか無いかで雨漏りの発生が左右されるなんて設計がシビアすぎます。

ロードスターみたいにガッツリ長いベロをモール全体に回しておけばいいのに。

 

で、出来上がり。

赤いボディにバーガンディの幌です。

ボディが超ツヤッツヤですが、実はもう17万キロも走っています。

たくさん走っても磨けばまだまだ光るものですねぇ。

ましてや色褪せやすいレッドなのに。

よく見ると小傷やハゲはちょこちょこあるのですが、

これだけテカテカに輝いていれば少々のことはちっとも気になりません。

 

こちらのオーナーさん、お友達と二人で来られました。

とても仲良しで和気藹々としていて、すごく楽しそう。

いいなぁ、こういうの学生以来久しく味わってないよなぁ、と、

妙に羨ましく、そして少し寂しい気持ちになりました。

たまには気の合う友達と適当にフラフラして、

食べたいもの食べて、

バカ話に花を咲かせたいなと思う、

秋の夜長でありました。

 

こんばんは。

今日は、是非知っておきたい・もらいたい、クロス生地の耐久性についてのお話し。

 

先日、当店で幌交換をさせていただき2年になるオーナーさんが、

経過報告、ということで現在の写真を送ってきてくださいました。

 

それがこちら。

ふむ、のっけからなかなかさわやかな写真です。

 

ちなみに使用状況としては、この2年間、駐車場は完全露天で雨ざらし。

オーナーさんはこちらのお車を通勤で日常的に使用しており、

快適シーズンの好天時はほぼオープン、という状況だそうです。

 

さて、そんな感じで使用してきた幌は2年たってどうなったのか?

 

じゃん、こんな感じ。

白っぽくなっているのが、幌を開けたときにスレが発生した部分ですね。

 

拡大すると・・・・

こんな感じ。

磨り減った、という印象はそれほどなく、色が抜けたように白くなっている感じ。

オーナーさんの感想としては、頂いたメッセージをそのまま転載いたしますと、

『 「色落ちしてみすぼらしくなった、ボロくなった」などということは一切ありません。  』

とのことです。

ご満足いただけているようで良かったです。

 

ただし、こちらの生地、実は最高級生地のGermanA5なのです。

当店で在庫を置いているStayfastと同じアクリルクロス生地ではありますが、

GermanA5はより繊維が緻密で、厚みもあります。

よって、全く同じ環境で使用した場合、その損耗の仕方にも差が出てくるかもしれません。

厚みがある分、GermanA5のほうがちょっと長持ちする、かも?

 

一方こちらのステッチ、お洒落に白い糸で特注したのかと思いきや・・・

なんと、元々は生地と同色だったのに、色褪せて糸だけ白くなってしまったのです。

2年でここまで退色するとは、私もちょっとビックリ。

私のロードスターに付けているダークルビーの幌は全然こんなことはありませんでしたので、

やはり保管環境、とりわけ「紫外線を浴びせない」ということが大事なのかもしれません。

(私のロードスターは幌を取り付けた2009年より現在まで、ほぼ一貫して屋根の下に置いております。)

 

とまぁこんな感じに糸だけ退色してしまったわけではありますが、

オーナーさんは『これはこれで味が出て、というかむしろオシャレになって満足しています。 』

といった具合に極めて前向きに捉えられておりますので、

それならまぁ私もお言葉に甘えて、

「一粒で2度美味しい感じで良かったですね」と、お答えしたいと思います。笑

 

さて、それにしてもなぜ糸だけこんなにも早く退色してしまうのか。

答えは、布部分と糸の部分で素材が違うからです。

布部分はアクリル繊維なのに対し、糸はポリエステルです。

ポリエステルも一般的には「色褪せしにくい」ということになっているらしいのですが、

それでもやはり2年間ひたすら野ざらしとなると、ここまで退色してしまうのですね。

 

一方アクリル繊維はというと、繊維の中でも最も染めにくいとも言われており、

「カチオン染料」という特殊な染料でのみ染めることが出来ます。

これがまた、染まりにくいアクリル繊維を染めてしまうだけあってか耐久性が大変高く、

色褪せのしにくさの度合いを示す「耐光堅牢度」という値において、

アクリルクロスは他の繊維よりも頭一つも二つも飛びぬけているようです。

というわけで、ポリエステル糸が悪いというより、競争相手が悪かった、というところでしょうか。

 

じゃあ糸もアクリルにしたらいいじゃん?とも思いますが、

きっと強度か何かの関係で糸はポリエステルじゃないとダメなのでしょう、きっと。

 

ちなみに、メーカーの保証規定でも、

「ポリエステル糸の退色は保証対象外」と明記されております。

逆にアクリルクロスの過度の変色は保証対象となっており、

やはりメーカーも双方の特性を踏まえたうえで製造していることが伺えます。

 

 

さて、だいぶ長くなってきておりますが、まだ続きがあります。

アクリルクロスの幌をさらにヘビーに使い込んでいったらどうなるのか・・・・

こうなりました。

磨り減りまくって、ついに中間のラバー層まで露出してしまっています。(黒く見える部分)

 

 

 

こちらは接触していた反対側。

ラバー層までは達していませんが、繊維は相当磨り減って白くなっております。

 

どうやって擦れているかというと、幌を開けたとき・・・・

こんな感じで接近してきて・・・・・

 

このように、布同士が常に接触した状態になり、

車体がバウンドするたびに幌も上下に動き、ズリズリ擦り減っていく、という状況なのです。

 

ただ全体的に見てみると、どうも擦れは一番当たりやすい1箇所に集中しており、

幌を開けるときにここに柔らかいタオルでも挟んでおけば、擦れはかなり避けられそうです。

面倒でも毎回タオルを挟んで長持ちさせるか、

それとも細かいことは気にせず開けたいときにパーン!と開けて、

磨り減ってきたらまた替えたらいいじゃん、とお気楽にいくか。

考え方は人それぞれ、ご自身の性格とご相談の上、お決めいただければと思います。

 

ちなみにこちらのオーナーさんは数年間・数万キロ、

一切遠慮無しに開けて開けて開けまくっていたところ、こんな感じになったそうです。

 

今回の写真はお仲間のRS乗りの方の幌交換で一緒にご来店された時に撮らせて頂いたのですが、

そのときも当然オープン。

幌がやれてきても、開けてしまえば関係ない。

そんか感じの、非常にオープンカー乗り気質あふれるオーナーさんでありました。

 

それでは、また。

こんばんは。

今回もMR-Sの水漏れシリーズ。

 

ほら、またです。

こちらの車両もトランスミッションコントロールユニット(以下TCU)が浸水した形跡があります。

これはもう完全に持病です。

まだ幌交換したことがない、

幌交換したけど漏水チェックなんて多分してない、

という方は今すぐ内装を外してチェックしてみましょう。

 

ちなみに、作業後オーナーさんにこの件を報告したところ、

ちょうど最近故障でTCUを交換したばかりなんだそうです。

ああ、もう対処済みなのですね、なるほど、それなら安心。

いや、でも・・・

 

雨漏りの原因が解消されていませんでした。

左側のメイン排水口が完全に詰まり、水が全く流れません。

これではせっかく交換したコントロールユニットもじきにまた水没してしまいます。

 

ただ、サブの排水口は詰まっておらず、ちゃんと水は流れます。

じゃあどうして浸水したのか。

 

原因は、排水口周辺のシート端部を留めるボタンがあるのですが・・・・

 

これが留まっていなかったためシートの端部が垂れ下がり、

矢印の方向に水が流れてしまっていたと思われます。

泥水が通った痕跡もありますのでほぼ間違いないですね。

皆さんも幌交換作業時はこういった単純ミスが無いよう気をつけましょう。

特にシーケンシャルMTの方は要注意です。

 

はい、というわけで出来上がり。

幌はイエローのボディにバーガンディをチョイス。

 

一度排水口を掃除したら今後数年は大丈夫だと思いますが、

念のため年に1~2回くらいは漏水チェックをしたほうがいいかもしれませんね。

こちらのオーナーさんも「自分でチェック出来るようになりたい」ということで、

排水口の位置や掃除の仕方をレクチャーさせていただき、

店長特製オリジナル詰まり解消特殊工具(ハリガネ)を進呈させていただきました。

 

参考までに、排水パイプは排水口からすぐのところでほぼ直角に曲がっており、

詰まりはさらにその先で発生しております。

よって、詰まり解消のための工具はこの直角部分を通過する柔軟さを備えつつ、

その先の詰まりをほじくることの出来る腰の強さもあわせ持っていないとなりません。

ですので、一見ただのハリガネに見える店長特製ハリガネSSTは実はただのハリガネではなく、

数あるハリガネの中から厳選された一級品のハリガネを用いた価値あるハリガネSSTなのです。

 

それでは、また。

こんばんは。

今回はNBロードスターの御紹介。

 

1台目。

屋根が一部濡れてますね~と思いきや・・・

 

拡大してみると、無数の細かいヒビが入っています。

これは珍しい、初めてみるパターンです。

どういう環境下でこうなったのか気になります。

 

ベルトラインモールも交換しました。

左が旧、右が新です。

よく見るとちょっと進化していまして・・・・

新型のほうには矢印部分のフラップが追加されているのです。

NB4には最初から付いていたので、どうも途中どこかで改良されたようですね。

ロードスターのモールは元々シンプルで信頼性の高い設計ですが、

このように更なる改良を重ねており、マツダの真剣さが伺えます。

え?S2000はどうかって?

はい、S2000のモールがいかに変ちくりんであるかは、また後日紹介いたしましょう。

 

ちなみにこちらのベルトラインモール、

ゴムと金属フレームが一体となった複雑かつ大形な部品となりますが、

お値段は意外とリーズナブルなのです。

それに引きかえ、ただの樹脂一体成型パーツであるレインレールの高いこと高いこと・・・・

先日買ったらついに18,000円弱まで値上がりしておりました。

毎年10%ずつ値上がりしているような感じですので、20年後には10万円を超える予定。

ってさすがにそれはないか。

まぁ、部品が出るだけありがたいのですが。

 

フロントヘッダーウェザーストリップも交換。

外してみたところ、錆びもなく状態良好。

泥汚れもほとんどなく、かなり保管状況がよかったと思われます。

その割には幌がひび割れていましたが。

 

ブチルと汚れを落としてスッキリ。

こういうところを外してみて綺麗だと安心しますね。

錆びてたらガビーンです。

 

 

幌はワンピースのStayfast黒。

このカラーには黒が一番似合うと思います。

NBロードスターがデビューした当初のイメージカラーですね。

 

 

2台目。

サンルーフモード発動。

なぜか最近ちょくちょく見かけます。

流行り病?

 

リアガラス剥離・・・・ではなくて、リアガラス上部の生地が切れてしまっています。

畳むとき鋭角に畳まれる部分なので、どうしても劣化しやすいのですね。

しかし、NBロードスターはリアガラス剥離など絶対にしない、立派です!

ごついゴム枠は伊達じゃない。

やっぱりガラスはガッツリ固定しないといけません。

 

ジッパーつきのバーガンディに交換。

赤シートのNR-Aなので、よりスポーティになって雰囲気もバッチリ。

 

バーガンディだとやっぱり「交換した!」感がひときわ大きいですね。

マンネリ気味で変化を求める方にはぴったり。

是非ご検討ください。

 

それでは、また。

こんばんは。

 

前回はMR-Sをまとめて御紹介しましたが、

今回はより掘り下げて、MR-Sの雨漏りについて考察してまいりたいと思います。

 

今回のお車ではオーナーさんより「助手席下に水が溜まる」と聞いていたので、

幌交換ついでに雨漏りの原因を探ってみました。

 

見える範囲ではどこからも漏れている様子がないのにいつのまにか水が溜まる、とのことでしたので、

「ああ、もしかして」と思いリア収納部の底を外してみると・・・・

 

Oh・・・・・

やはり収納下のパネル内に水が溜まっております。

ちなみに、かろうじて水没を免れているのはシーケンシャルMT用のコントロールユニット。

上部にビニルでカバーがしてあったり、上げ底にしてあったりと、

最初から水が浸入することを見越した作りになっております。

 

今回は上げ底用の足元ちょい上で水が止まっていたので、幸いコントロールユニットは無傷で無事でした。

走行中に多少はチャッポンチャッポンしたかもしれませんが。

 

なぜこれ以上水位が上がらなかったかというと・・・・

シートベルトの巻き取り器の後ろのほうにパネルの継ぎ目がありまして、

溜まった水はその隙間から助手席フロア方向へと流れていきます。

隙間の下半分くらいはシーリングで埋めてあり、シーリング部を超えた水だけが流れていくのですが、

今回はシーリングが比較的下のほうで止まっていたのであまり水位が上昇せず、

結果としてコントロールユニットは水没せずに済んだのです。

 

このシーリングは結構適当でして、高いときもあれば低いときもある。

運悪くシーリングの位置が高かった場合、コントロールユニットは完全に水没してしまいます。

以前作業させていただいた別の車両で「ギア抜けやシフトミスが多い」という症状があったのですが、

その時はこのコントロールユニットがほとんど水没した状態でした。

それにも関わらず一応動いていたのは、ある意味感心しましたが。

 

で、水が入るのを見越してカバーまで掛けてあるのに、排水口は設けてないのか?

と思われるかもしれませんが、安心してください、付いてますよ。

コントロールユニットの後ろの、この黒いゴムキャップが排水口です。

ですが、あまりに水路が細すぎてすぐに詰まってしまいます。

今回も完全に詰まって機能しておりませんでした。

 

しかも、自動車の排水口ってどれもだいたいそうなのですが、

排水口の先っぽになぜか逆流防止(?)の弁みたいなのがついておりまして、

こいつのせいですぐにゴミが堆積して詰まってしまうのです。

 

こんなもん取って捨ててしまえばいいのに、と思いますが、

一応付けたからには何かしら意味があるのでしょうから、

針金でホジホジして詰まりを解消し、きちんと流れることを確認しました。

 

パネルを掃除して綺麗スッキリ。

錆びてしまった部分はとりあえずKURE5-56を吹いておきました。

 

頻繁に水没の危機に晒されるトランスミッションコントロールユニットと、

その様子を一人安全な壁面から高みの見物といった風情のエンジンコントロールユニット。

やはりその重要度によって配置が決まってくるのでしょう。

といってもまぁ、エンジンだけ無事でもトランスミッションが壊れたら走れませんけど。

 

さて、次に、そもそもどこから水が流れ込んできたのか、それを解明しないといけません。

まず、単純に考えて一番怪しいのが幌側の排水口の詰まり。

こちらはなかなか厳重な作りになっておりまして、メインの排水口とは別系統で、

少し上のほうにもう一つ排水口があります。

 

排水口を上から見てみると、ややゴミは溜まっているもののきちんと流れており、

ここが溢れて漏れているわけではなさそうです。

と思ったら・・・・

防水シートに思いっきり大穴があいておりました。

はい、実に単純な理由でしたね。

これだけ大穴があいていれば、水もジャンジャン入ってくるってもんです。

 

というわけで、余った幌のビニル生地で穴を塞ぎます。

 

原因は矢印のコイツ。

幌を開閉するときに上下する部品が接触して穴をあけてしまうのです。

 

見てのとおりモロに金属な感じなので・・・・

 

フェルトシールを貼って当たりを穏やかにします。

潤滑用シリコンも吹いて摩擦を最小限に。

 

はい、というわけで、雨漏りがあろうとあるまいと、

この程度のことは標準工賃の範囲内でやらせていただいておりますので安心してご依頼ください。

ただ、こういうことをしているとどうしても1時間2時間は余計に時間がかかってしまいます。

あまり急かされますと「じゃあまぁ、そのままでいいや」となりかねないので、

作業当日はスケジュールに余裕を持ってお越しいただければ幸いです。

 

 

それでは、また。

こんばんは。

 

今回はMR-Sをまとめて3台御紹介。

 

まずは黄色のボディにブラックの幌。

ボディが鮮やか過ぎて黒が潰れまくりです。

その幌の黒きこと、ブラックホールの如し。

 

写真だとちょっと黄色が強すぎる感じがしますが、

鮮やかなボディと黒い幌がお互い引き立てあっていい感じだと思います。

 

こちらはチタングレーっぽいボディにブリックの幌ですが、西日が強すぎてなんとも・・・・

もうちょっと車体の向きを工夫すればいいのですが、作業終わりだとそんな気力もありません。

 

この後期のテールランプ、カッコイイですね。

 

こちらはグリーンのボディにブリックの幌。

ホワイトバランスの設定を間違えたので、これまた色が変。

まともな写真が全然ないですね、すいませんです。

 

オリジナルの茶色幌からの張り替えです。

色味はちょっと異なりますが、イメージはだいたい同じような感じに仕上がっていると思います。

 

ところで、最近の中古車屋さん、

特にヤフオクに出しているようなところって、皆さんやたら写真が上手な気がします。

「おわぁ、綺麗!即決で落としてしまおうか!」と思うこともしばしば。

皆さんそれぞれお気に入りの撮影スポットを持っているみたいで、

一番車が綺麗に見える時間帯、アングルなどを熟知した上で撮影しているように思えます。

似たような作風が多いので、

もしかして「即決で決まる!中古車撮影講座」みたいのがあるのじゃないか、と思ってみたり。

もしあるなら私も是非一度受講してみたいものです。

 

ちなみに幌の写真もですね、

車体斜め後方から光が差している時間のほうが、シワが目立たず綺麗に撮れるのです。

当店で言えば、それすなわち朝の時間帯。

逆に車体ほぼ正面から低い角度で日が差してくるような時間帯は、

少しのシワでも大きく影が出てしまい非常に分が悪い。

私が作業完了後に写真を撮るのは、だいたいそれくらいの時間帯。

 

まぁ、あまり実物以上に綺麗に写りすぎて過剰な期待をさせてしまってもいけないので、

少々粗が見えているくらいのほうがいいのかもしれません。

色味も曖昧なほうが「ああ、やっぱり写真じゃバラつきがあるんだな」と思ってもらえて好都合。

 

などと、写真が上手く撮れないことの言い訳を考えてみた次第です。

それでは、また。

こんにちは。

今回はアルファロメオ・916スパイダーの御紹介。

 

いきなりですが、張り替え後。

元もダークブルーの幌でしたが、だいぶ痛んできたので同色で張替え。

 

相変わらずのエキセントリックなデザイン。

SZにRZ、GTV、スパイダー、

この辺りが、アルファのデザインが一番ぶっ飛んでいた時期かなと思います。

ここ最近はやや大人しめな印象なので、またここらで一発かましてくれると嬉しいです。

 

だいたい綺麗に張れたのですが、

左Bピラー下だけ幌格納部の蓋がやや浮いており、幌が押されてシワになってしまいました。

蓋の位置を調整できればよかったのですが、簡単には直せそうになかったので断念。

板金屋さん、お願いします。

 

こちらは張替え中。

Bピラー側のケーブルが切れてしまっています。

こちらなら直せそう。

 

ということで、

ステンレスのワイヤーロープに交換。

これでしばらくは大丈夫でしょう。

少なくとも紐よりは切れにくいはず。

 

幌はすっかり綺麗になったのですが、サイドミラーの白け具合が気になります。

 

こんなときはこちら!

オートグリム、バンパーケアー!

 

こいつを布にちょいっとつけ、さっと一拭きすれば、

くすんだ樹脂パーツもたちどころに真っ黒に・・・・

なりませんでした。

 

バンパーなどによく使うポリプロピレン樹脂は簡単に黒くなるのですが、

このミラーはABSか何かで出来ているみたいで効果なし。

お客さん喜ぶかなーと思ったのですが、残念。

 

欧州車はなぜか積極的に黒い樹脂パーツを使っていく傾向にありまして、

我が家のプントなどはその最たる例。

バンパーやサイドモールはもちろん、

ドアハンドルやサイドミラー、グリルも全てポリプロピレン樹脂製です。

だからバンパーケアを塗っておけば簡単に綺麗になります。

面倒なのでめったにやりませんが。

こんばんは。

前に言っていたNC祭りが一段楽したのでまとめて御紹介。

 

まずはこちらのロードスター。

純正の黒ビニルから、Stayfastの黒へ張替え。

同じ黒ですが、より黒が締まってかっこいいですね。

 

交換動機は・・・・

あたまズル剥け。

S2000やNCのビニル幌でたまに見られる現象なのですが、

前端部の折り返しが強すぎるのか何なのか折り曲げ部が次第に硬化していき、

やがて生地が破れ始め、そして高速走行をしていると・・・・

僅かなほころび部分から風が流れ込み、一気にブワッ!!と持っていかれるのです。

それは本当に突然やってくるもので、

実際に体験した人からは「幌が爆発した!」というような表現を持って語られております。

そりゃ、びっくりしますよね。

というわけで、前端部の切れ目を発見したら、早めにテープなどで補強しておきましょう。

 

 

サンルーフモード。

それにしても綺麗に破れたものです。

 

こちらは元がクロスの黒だったのを、ブリックで張替え。

純正でもこの組み合わせはありましたよね。

非常にロードスターらしいクラシカルな味わい。

 

こちらは元色ブリックをバーガンディに張替え。

クラシック路線からお洒落&スポーティ路線に転向。

幌の色でガラッと雰囲気が変わるので楽しいですね。

 

こちらは純正のブリックをTwillfastRPCのホットチョコへ張替え。

雨に濡れたときのブリックを目指した、とのことで、まさにそんな感じに仕上がったと思います。

 

 

すごーくいい色合いなのですが、雨模様のためきちんとした写真が撮れず・・・

 

ちなみにこちらのオーナーさん、遠路はるばる岡山県からお越しいただきました。

道中、ほとんど雨だったそうですが・・・・

なんと、ベルトラインモールよりも下はちっとも濡れていません。

雨の中を長距離走ってきたのにも関わらず、です。

モールと幌はそんなにギッチギチに密着しているわけでもないのですが、

ここまで完璧な止水性を持っているとは思いませんでした。

 

では、幌後部に流れた水はどこへ行くのかというと・・・

サイド部分からレインレール内に流れ込んでいることがわかります。

穴の周りが四角く抜けているのはエプトシーラーが貼ってあった部分です。

エプトシーラーも完璧な防水性を持っていることが伺えますね。

 

レインレールはボルトが貫通している関係上、どうしても今ひとつ信頼性に欠けるところがありますので、

このようにまずは極力モールで水の浸入を防ぐ構造になっているのですね。

NA/NBロードスターのモールは端部以外からも普通に浸水してきますので、

さすがNCロードスター、過去の経験を踏まえて色々進化している様子が伺えます。

 

というわけで、NC特集でした。

それでは、また。

こんばんは。

今回はゴルフ4カブリオ(前期)の御紹介。

 

ゴルフ4前期カブリオの場合ガラス剥離こそないのですが、

生地のほうの剥離が発生してしまうため、結局前期だろうが後期だろうが幌交換が必要になってきます。

ガラス剥離と同じく、やはり科学的手法だけに頼ってくっつけているので、

このように経年で剥がれてしまいます。

ひと手間を惜しまずちゃんと縫っておけばいいのに。

きっと、初期強度試験では素晴らしい結果を叩き出して本採用されたのでしょう。

 

古い幌に貼ってあったラベル。

フォルクスワーゲン、セアト、シュコダ、アウディのロゴが入っています。

いずれもフォルクスワーゲン系列の自動車ブランドですね。

セアトとシュコダが分かった人はなかなかの自動車通だと思います。

 

こちらの幌、以前に一度張り替えた形跡があったのですが、

リアガラス周りのステープルがすごーく適当。

 

間隔もバラバラですが、そもそもステープルがきちんと刺さっていません。

これはきっと手動タイプのタッカーですね。

よくこれでちゃんと付いていたなぁと思っていたのですが・・・・

 

剥がしてみて納得、フレームに接着剤で固定してありました。

ということはステープルは仮固定程度だったわけですね。

なるほど、人それぞれ色々なやり方があるものです。

違う人の仕事を見るのはとても参考になります。

張った方の名誉のために言っておきますが、全体の仕上がりはバッチリでしたよ。

個人的には外観と機能に問題がなければ、

見えない部分は施工者のやりやすいようにやったらいいと思います。

ちなみに私の場合、ここは普通にステープルを打ちます。(純正もそうです)

 

で、出来上がり。

あまり見かけない珍しいカラーですね。

黄色のような、からし色のような、ゴールドのような。。

 

 ゴルフのリアガラスはフレームにリンクが付いていてガラスを外に押し出す形になっているので、

ガラスの周囲がグワッとダイナミックなカーブを描いており、個人的に好きな感じです。

布にガラスがくっついているだけの車種だと、

ただ布のカーブなりにガラスがぶら下がっているだけで・・・・

って、分かりますかね、この違い。

 

Bピラーにはドドーンとカルマンのロゴが。

馬車の製造からスタートしているので、描かれているのも木の車輪っぽい感じですね。

 

ちなみに、ゴルフI・III・IVは「カブリオ」なのに、

ゴルフVIからはなぜか「カブリオレ」になっております。

ローマ字表記も「CABRIO」と「CABRIOLET」でちゃんと使い分けています。

何が違うんでしょう。

トイレとトイレットみたいな感じ?

違うか。

 

それでは、また。

こんにちは。

 

今週は店長の大好きなカルマン祭り。

といっても2台だけですが。

私の知る限り、フォルクスワーゲン系の幌は全てカルマン製です。

かの有名なカルマンギア以来、とっても仲良しなのですね。

カルマンの倒産後、カルマン社の独・オスナブリュック工場をエンジニアごと買い取り、

現行ゴルフカブリオレもそこで製造しているんだそうな。

 そのほかの部門もあっちこっちに切り売りされ、

日本の製造拠点はマグナ・シュタイアー社へ(日産・インフィニティ系 コンバーチブル)

北米の製造拠点はベバスト社へ(マスタングなど)

オスナブリュックのそのほかの工場はヴァルメト・オートモーティブ社(サーブ・ポルシェなど)

といった感じに、カルマンのDNAは世界中に広がっていくのであった。

めたでしでためし。

 

 

 

 

さて、

前も書きましたがニュービートルはリアのフレームを引っ張り出す構造なので養生を念入りに。

 

この角っちょのトンガリ君が一番の元凶なのですよ。

ナイフみたいに尖りやがってからに。

 

というわけで、臭いものには蓋、鋭いものにはカバーを。

テープを何重にも貼ってナマクラにしてやります。

 

さらに毛布やらタオルやら総動員でフルアーマー!

見た目はあれですが、防御は完璧。

 

で、出来上がり。

オーナーさんのこだわりで純正と同じ最高級生地GermanA5を選択。

さらに+15,000円の速達オプションも使用したため、当店史上初(だっけ?)の20万円超え。

う~ん、リッチマン。

 

この、ノーマルビートルを水平にぶった切って幌をポンと載せた感じ、シンプルでいいですね。

というか、コンバーチブルって本来そういうノリですからね。

セリカなんかは日本で製造したノーマルの半完成車両をアメリカのASC社に送って、

そこで屋根をぶった切って補強して、コンバーチブルに仕立てていたそうです。

これだけ手間ひま掛けてノーマル車から数十万アップで買えるなら、

考えようによってはバーゲンプライスかもしれません。

 

で、今回オーナーさんと話をして初めて気付いたのですが・・・

この熱線、色がオレンジで、さらに左右に太い帯?があるので、純正と比べると結構目立つのです。

純正はもっと暗い茶色みたいな感じの色で、帯もないのでスッキリしています。

今まで全然気にしていなかったのですが、こんな違いもあったのですね。

オーナーさんはこういった部分もきちんと調べて、納得された上で依頼してくださったのだそうです。

そう言われてみると、他の幌はどうなってたっけ?

今後は注意して見てみたいと思います。

 

さて、次回はゴルフを御紹介の予定。

今週はフォルクスワーゲン&S2000祭り、

来週はNCロードスター祭り、

なぜか同じ車種が固まる傾向にあります。

連続だと飽きるから、バラけてくれたらいいのに・・・・なんて言っちゃいけません。

S2000もNCもフィッティングが良好なので結構好きな車種なのです。

 

それでは、また。

こんにちは。

 

今回はメルセデスベンツ・CLKカブリオレ(A208)の御紹介。

丸目4灯のEクラスと同じ、この顔の型です。

 

幌の開発は店長の大好きなカルマン社。

世代的にはアウディA4カブの一つ前になり、全体的には似たような構造ですが、

アウディA4ほどの洗練度には達しておらず、20%OFFくらいな印象。

それでもさすがカルマン社、非常によく出来ておりますが。

 

前回の日記でちらっとお伝えしましたとおり、こちらの幌はガラス移植が必要で、結構手間がかかります。

また、ガラス移植以外にも色々不具合がありましたので、そちらも修正。

まず、リアガラス周りのトリムが外れてバッキバキに割れて、

しかもブチルやら何やらでベタベタにくっつけてあったので修正しておきました。

割れてしまっている以上完璧に元通りとはいきませんが、見苦しくない程度には直せたと思います。

写真は撮り忘れました。

 

ロックレバーも全体が外れて宙ぶらりんになっていたので直しておきました。

 

これがまたへんちくりんな構造でして、

ボルトやネジで止めるのではなく、金属のリングを嵌めこんで止めてあるだけ、

そりゃ引っ張りゃ取れるだろうという構造。

写真の頭についているリングがそうです。

このままではまた嵌めこんだところでちょっと引っ張れば取れてしまいます。

ちなみに、下に敷いてあるのは外した古い幌です。

これから張る新しい幌の上でこんなことはしませんのでご安心を。

 

で、色々試した結果・・・

何をしているかというと、ペーパータオルを噛ませた状態でリングを打ち込んでみました。

紙なんぞで?と思うかもしれませんが、元々わずかしかない隙間にタオルの繊維が挟まることで、

非常にガッチリ固定されることが確認できました。

まさに紙一重(ドヤァ)

いや、ホントすごいですよ、思いっきり引っ張ってもびくともしない。

ハンマーでガンガンぶっ叩いてようやく外れるレベルです。

木の樽を作る職人さんがこういうことをしているのを以前見たので、ちょっと真似してみました。

 

追伸

その後結局外れてしまったのでよく調べたところ、

「はめ合い」という、文字通り金属をはめ込んで接着剤でくっつける、という手法なのだそうです。

それ専用の接着剤があるのでそれで再度補修しました。(ロックタイト 638)

寸法精度が低くても接着剤で簡単結合、という新しい手法らしいのですが、

しょせんケミカルなので経年劣化で取れてしまう模様。

なんだかなぁ、という感じです。

 

ガラスはアルミのフレームで幌に固定されているので外して移植します。

やり方は・・・内緒。

ちょっと特殊ですが、なかなか合理的な方法です。

 

で、出来上がり。

少々微調整に手間がかかりましたが、綺麗に張れたと思います。

 

リアガラス周りもバッチリ。

窓の位置はマーキングがしてあるので、それに合わせるだけでだいたい上手くいきます。

 

ゴム枠が奥まったところにあり、ガラスが浮いて見えるスタイリッシュな構造。

この後の世代では「さらにスッキリさせよう!」と張り切ってガラスを幌布に接着した結果・・・・

アウディA4、ニュービートルなどのように、みんなガラスが剥がれてしまう羽目に。

堅実な方法を発見したところでやめとけばいいのに、

果敢に新技術にチャレンジし、そして散っていくカルマン社。

そんな社風が祟ったのかどうか知りませんが、2009年に破産してしまいました。

その後、色々あってコンバーチブル部門はヴァルメト・オートモーティブという会社に吸収されたようです。

ヴァルメト社はサーブのカブリオレやボクスターの製造もしていたそうで、

カルマン社の超合理的なオープンカー製造技術が継承されていくのかどうか、注目されるところです。

まぁ、こんなにカルマン社を気にかけているのは私くらいなものでしょうけども。

 

それでは、また。

こんばんは。

千葉はお盆以降めっきり涼しくなってしまい、夏が恋しい今日この頃。

かといってまた夏日がやってきたら、それはそれで鬱陶しい。

 

はい、それではまずバルケッタの御紹介。

黒い車体にTwillfastII・ユーログリーンの幌です。

 

 

車種によっては少々着こなし?が難しいかもしれないコーディネートですが、

そこはデザインが売りのバルケッタ、大変お洒落にきまっていると思います。

 

唯一無二のリアデザイン。

マイナーチェンジ後のニューバルケッタからは、

これまた突飛な形状のハイマウントストップランプが追加されてますます我が道を突き進みます。

並みの感性ならば横長に赤色LEDを並べて終わりでしょう。

そのほうが一般的には「カッコイイ」と認識されやすいでしょうが、そんなことはどうでもいい。

だってイタリア車だしバルケッタだし。

日本車やドイツ車とは期待されている方向性が違うのです。

 

 

 

こちらはやっと仕上がったジャガー・XK8。

大変長らくお待たせしてしまい申し訳ありませんでした。

電動開閉機構が死んでいまして、閉めるのにずいぶん苦労しました。

人一人分の体重を掛けてなんとか手動でロック。

一人じゃにっちもさっちもいかないですね。

改めて油圧ポンプの強力なパワーを実感した次第です。

 

この長ーいリアエンドが非常に特徴的です。

車止めがあっても後ろの壁に突っ込みそうな長さ。

道路上で後ろから見るとこれがまたカッコいいんですよ。

這うような低いシルエットにお尻がキュッと持ち上がって、太いタイヤのトレッド面が丸見え。

店長は昔からこの車に憧れてまして、今でも欲しくてたまらない。

幌屋的には当然コンバーチブルにすべきところですが、

シルエット的にはリアの流れが自然なクーペのほうが好きです。

迷うところです、買えませんが。

 

でもやっぱり特に初期型は電気系統が相当弱いみたいですね。

もし中古で安く買ってきてもまともに走らすには整備費100万じゃ足りないんじゃないでしょうか。

独身時代ならまだ勢いで買えたかも知れませんが、今はちょっと及び腰。。。

どうせ金かけるならいっそフェラーリに...。

 

リアクォーターウィンドゥも開いたまま不動なので店長お手製簡易窓を嵌めこんでおきました。

汎用型中空ボール紙製で軽量化とリサイクル性にも考慮した作りになっています。

全面に張り巡らされた養生テープにより防水性もバッチリ。

これで陸送中くらいはなんとか持ってくれるでしょう。

こちゃこちゃ記入してあるのは陸送屋さん用の注意書きです。

 

 

XKの幌交換で苦労した原因がもう一つ・・・・

リアウィンドウがフロントガラスなどと同じ、接着式なのです。

再利用しないのならばフレームごと引っぺがしてポイ!ですが、

新しい幌に移植しないとならないので割らないよう丁寧に丁寧に剥がしていきます。

ガラス屋さん的には当たり前の構造でしょうが、幌の窓でこの構造は実はかなり珍しい部類です。

 

最初、どうやっても外れないので「ウィンドシールド用カッター」なるものを買ってきたのですが、

これがびっくりするくらい使い物にならない。

どんだけ怪力ならこれで切断できるんだよ、と。

途方にくれつつも次の一手、ワイヤーを使ったカットにチャレンジ。

(というかこれが一般的らしいですが)

 

そしたらまぁ、これが面白いように切れるわ切れるわ。

専用カッターで散々苦労した分、喜びもひとしお。

ウハッ!なんだこれスゲーッ!!!と一人ハイテンションでギコギコギコ。

頭の中で流れるマリオのスターのBGM。

 

が・・・・

へっぽこワイヤー破断。

途切れるスターのBGM。

 

気を取り直してステンレス製ワイヤロープに変更。

安心のニッサチェイン製。

これはさすが、ちっとも破断しません。

細いワイヤーを撚り合わせるとなぜか同じ素材・太さの針金より強くなる。

実に不思議ですねぇ。

適度に伸びて力を吸収する感じでしょうか。

なんだかわからんがすごいぞワイヤロープ。

 

というわけで、こんな感じで外して、また専用接着剤でくっつけて・・・

慣れない作業で実に大変でしたがなんとか終わりました。

 

今はCLKカブリオレの作業中ですが、

こちらもガラス移植が必要なタイプで、これまた今までにない固定形式。

色々あって勉強になります。

それでは、また。

こんにちは。

今回はロードスターの御紹介。

日記では目新しい輸入車の紹介が多いですが、国産車の取り付けもたくさんやっております。

「輸入車メインなのかと思った」と言われることも多いですが、

そんなことはありませんのでお気軽にご相談ください。

 

あと「ボロボロなので恥ずかしい・・・」という方もいらっしゃいますが、

ボロボロになったから交換するわけですのでそれも当たり前!

肛門科や泌尿器科の先生がいちいちなんとも思っていないのと同じように、

どんなにボロボロだろうが店長はなんとも思いませんのでお気軽にご相談くださいませ。

(ただし、日記でネタ扱いされる場合がありますのでご注意ください)

 

というわけで、今回の幌は・・・・

ロードスターでは珍しい、純正のクロス幌です。

Stayfastで言うところの「ライトニュートラル」が該当いたします。

 

ビニルと違い端部の割れ、切れはないのですが、

やはりクロス特有の汚れや擦れ痕が目立ちます。

 

オーナーさん、この汚れなんとかならんものか、と高圧洗浄機にかけてみたところ・・・・

合掌、とどめを刺してしまいました。

通常は高圧洗浄機程度は平気なはずなのですが、

かなり劣化が進行していたのか、このように繊維を崩壊させてしまったようです。

あるいは業務用の余程強力な高圧洗浄機だったのか。

いずれにしても、あまり幌にはよろしくないようなので高圧洗浄機の使用は極力控えましょう。

 

で、出来上がり。

同じクラシック調を維持しつつ、少しテイストを変えてブリックにしました。

 

大変カッコイイと思いますがいかがでしょうか?

 

ちなみにこちらのオーナーさん、どこかで見たような・・・・

と思っていたら何年か前に仕事で付き合いのあった方でした。

通常店長は人の顔をあまり(ほとんど)覚えられないのですが、

こちらのオーナーさんはとても真面目で話し方も穏やか、

それでいてやや固そうな雰囲気という店長の好きなタイプだったのでとても印象に残っていたのです。

知らぬ間に退職してしまいどうしたのかなー?と気になっていたのですが、

今回こういう形で再開出来てよかったです。

 

もう一台、ロードスターの御紹介。

こちらはNR-A?かな?

Stayfastのバーガンディを組み合わせました。

 

内装の赤とマッチしてちょうどいい感じだと思います。

 

 

なお、クロス生地には布製品という性質上、

たまにこういう繊維がダマになったような箇所がある場合があります。

大判の布で作成する都合上、どうしてもどこかしらにこういうダマが出てきます。

これが一切無いようにしようとすると歩留まりが極端に低下してしまい、幌メーカーの経営が成り立ちません。

液晶の「ドット欠け」と同じようなものであるとご理解いただければと思います。

 

が、そうは言ってもさすがに許容できる限度というものがありまして・・・

こちらの幌では・・・・

 

かなりの長さに渡ってダマが発生してしまっておりました。

幌交換の途中で気付いたのですが、これはさすがにダメだろうということで、

別の幌に交換させていただきました。

 

ただし、見た目はアレですが、繊維が切断されているわけではないので実用上は全く問題ありません。

というわけで、こちらをアウトレット品として処分したいと思います。

Z33フェアレディZロードスター用で、生地はStayfastのダークブラウン。

通常価格84,800円ですが、20,000円オフの64,800円にて提供させていただきます。

ご興味のある方はお問い合わせくださいませ。

なお、アウトレット品ということで保証は適用されませんので予めご了承ください。

 完売御礼。

ありがとうございました。

 

それでは、また。

こんにちは。

千葉はここのところ雨がちっとも降りません。

週間天気予報を見ても晴れ晴れ晴れ、ずーっと晴れ、もしくは曇り。

それでも今のところ水不足という情報は入ってきませんので、

水源地ではちゃんと降っているのでしょうかね。

 

さて、今回はZ33の御紹介。

こちらは交換前の幌。

何色に見えますか?

だいぶ色あせてしまった黒かなー?くらいの印象ですが・・・・

 

内側に隠れていた部分を見ると元々グレーであったことが伺えます。

純正で設定のあったこのグレーとあともう一つ、ブルーの生地。

中古で買ったオーナーさんだと「てっきり黒なのかと思ってた!」という方もちょくちょくいらっしゃいます。

 

黒は白ちゃけてグレーへ、

ブルーは色あせてグレーへ、

そしてグレーは汚れて更なる高み(濃グレー)へ、

全ての幌はグレーに通ず。

 

こちらの幌、穴あきに対して補強テープが張ってあったのですが・・・

 

なぜかニプロ。

医療用?

貼っとけば幌が自然治癒するテープとかあったらいいのですが。

 

ゴムバンドの伸びが原因で骨組のプレートが曲がってしまっていますね。

もう復元不可能なので撤去し、幌のフラップは両面テープ止めとします。

 

で、突然ですが出来上がり。

帰り際、「あ、いけね、珍しいカラーリングなのに撮ってなかった」と思い出し、

去り行くお車をギリギリのタイミングで激写。

というわけで、紺のボディにバーガンディの幌です。

 

さて、話は変わりますが・・・

作業中、うっかり接着剤を幌布の関係ないところに付けてしまったっ!ということはないでしょうか?

上の写真は実験として端切れにわざと塗りたくったのでかなり酷い状態ですが・・・・

 

慌てて拭いたらさらに悪化!!

こんなになってしまったら、どうすんのこれ!??って絶望しちゃいますよね。

しかし、こういった事態にちゃんと対応する製品が出てますのでご安心ください。

 

 

その名も「Gうすめ液Z」

GだのZだの何やら少年の心をくすぐりそうな文字が並んでおりますが、

「ボンド」で有名なコニシが、自社製品の希釈・洗浄用として出している純正品です。

その割には、ラベルは普通紙+ビジネスインクジェットっぽいし、若干曲がってるし。

 

という具合に見た目こそ少々チープではありますが、そこはやはり純正品。

 

このように・・・・

歯ブラシなどにたっぷり付けて接着剤の痕をコシコシしますと・・・・

 

ほら!

 

って肝心の写真撮り忘れた。

 

 

まぁとにかく、これだけ塗り広げてしまってもちゃんと落ちるのです。

ホントです、是非やってみてください。

恐らく元々接着剤に入っている溶剤と同じ成分なので、固まった接着剤がまた元に戻る感じ?

溶け出した接着剤成分を丁寧に拭き取っていけば何事もなかったかのように除去できます。

 

もちろん、実際にここまでベッタリ付いてしまうようなヘマをこくことはありません。

ってか、ここまで付いてしまったら落ちたとしてもお客さんに何だか悪いので交換しちゃいますね。

 

という訳でちょっと接着剤がはみ出した!というときなどに試してみてください。

コツは・・・付いてしまってもとにかく塗り広げないこと!

つまめるくらいに表面が乾くのを待ってから引っ張ってみると、それだけでかなり取れます。

それでも取れない分はGうすめ液Zで、よろしく。

こんにちは。

今回はアルファロメオ・スパイダーの御紹介。

 

元の幌は・・・破れ、剥がれ、穴あき、割れと、まるで劣化原因の見本市状態。

 

元はクロス生地のはずなのですが、私が見てもなんだかよく分からない状態。

なぜかトップとサイドでも劣化状況が違います。

使っている生地が違うのかなぁ。

 

内部は、昼間なのに満天の星空!

生地が劣化しまくった結果、光が透けて見えているのですね。

本来は1mm程度の厚さがあるはずの生地ですが、ハンカチのようにペラペラになっていました。

 

幌はこんな状態ですが、オーナーさんは基本的にいつもオープン走行なので問題なし!

念願だったガレージ付きのマイホームを建てて、保管中もオープン状態だそうです。

 

 

Bピラー後ろは裏地が加水分解?

なんだかよく分かりませんが粉になって堆積していました。

このように、人工物の塊である自動車であっても、

いずれ鉄は錆び、布も風化して土に還っていくわけですね。

 

で、突然出来上がり!

なんとか一日仕事で間に合いました。

 

非常に特徴的なシルエット。

 

ものすごく巨大なリアスクリーン、視界は良好。

透明度さえきちんと保たれていれば、ビニルスクリーンもなかなかいいものです。

さっとひと拭きで透明度が復活するような画期的なケミカルがあればいいのですが。

 

こちらのオーナーさん、

ガレージ付きの自宅が完成したら幌も交換しよう!と計画されていたのですが、

自宅の完成と時を同じくして、依頼予定だった幌屋さんが亡くなってしまったのだそうです。

きっと昔ながらの腕のいい職人さんだったのでしょう、どなたか存じませんが残念です。

 

縫製から出来るような腕のいい幌職人さんは全体的に高齢化が進んでいるように思います。

今は私どもが扱っておりますような完成品の輸入幌も多く出回っておりますし、

若い職人さんが縫製から携わるような機会は今後ますます減っていくのではないでしょうか。

全ての車両が既製品の幌で対応できるわけではありませんので、

全国に何名かでも腕のいい若い職人さんが残ってくれればいいなと思います。

 

私なんぞは既製品の取り付けに特化しておりますので、

そういう技術では足元にも及ばない、というかそもそも別次元の存在です。

 

もっとも、自動車修理にしても通常は既製品の部品を交換しておしまいです。

自分で金属ブロックから部品を削りだして・・・・なんて修理屋さんはそうそういません。

ただ、お客さんの負担を考えずアッセンブリーで部品交換しておしまい、という人もいれば、

部品を分解して故障の原因を追究し、必要最小限の部品交換でなんとかしようという人もいます。

 

私としては、自分で部品は作れないにしても、

後者のように極力無駄のない修理が出来るような存在になりたいと思っております。

宮大工のようにはなれないけど、融通の効く街の大工さん、みたいな感じですかね。

住宅なんて今時はみんなプレカットですし、建具も設備もほとんど既製品。

それでも当然ながら仕事の良し悪しはあるわけです。

 

 

というわけで、今後ともよろしくお願いいたします。

こんばんは。

関東は最近暑い日が続いております。

しかし、千葉の夏はだいたいいつも風が吹いているので、

耐えられないほどの暑さ、というわけではありません。

 

はい、というわけでまずこちらはフィアットバルケッタ。

ダークルビーの幌に交換しました。

ダークルビーは生地の生産が終了し、メーカー在庫も切れたのでこれでもうおしまい。

需要があるんだから作ってくれればいいのになぁ・・・残念。

 

 

こちらはバルケッタのフロア。

雨漏りする前提?かどうか知りませんが、床面が一体成型の樹脂で覆われております。

シートのスライドレールは金属なので、

水没しないようにわざわざ一段高い位置に付いているという念の入れ様。

雨漏り上等!ドンとこいやっ!と言わんばかりの親切設計、潔くていいですね。

ね、漏れたでしょ?でもほら、床は防水なんですよ、みたいなノリ。

新車から雨漏りする車両も普通にあったそうで、

ディーラーさんも「まぁ、オープンカーですから」で片付けていたそうな。

 

さらに困ったことに、バルケッタちゃん、ウェザーストリップの調整が一切効きません。

骨組と完全に一体型となったレールにそのまま嵌めてあるだけ。

基本的に「雨漏りを調整して直す」という発想はないようです。

「漏れたら受け止めればいい」という新しいアプローチを選んだ革新的な構造なのです。

まぁなんせ、バルケッタ=小船なわけですから、水との親和性を重視した設計なのかもしれません。

 

 

こちらはNCロードスター。

赤なのでやっぱり黒!

 

NCは誰が張ってもだいたいこれくらい綺麗に張れると思います。

元々精度がいい上に、このようにしか付きようがない構造なので、

DIYで交換してみたい!という方にもぴったりな車種です。

詳細なマニュアルも付属しておりますので、皆さんぜひチャレンジしてみてください。

 

こちらはBMW・Z3。

幌は全然痛んでいなくて非常に綺麗なのですが・・・

 

リアスクリーン周辺のモールの割れが気になるとのことで全張替え。

 

こちらの車両は全体的にすごく綺麗で、

ボロボロになりがちなドアアウターハンドル周りのゴムも綺麗に残っています。

もしかしたら一回交換したのかも?

 

サイドのエンブレムは交換待ちなのか、外されていました。

でも、外した下にもちゃんとBMWのロゴが入っているのです。

こういう洒落の効いた演出、いいですね。

 

すごく綺麗な車両でしたが、さすがにボディに隠れている幌端部は泥が溜まっています。

 

 

幌を外したボディ後部側。

こちらの車両、いつもよりブチルがたっぷりな気がします。

 

 

全部除去して・・・

 

エプトシーラーに置き換え。

幌側にも貼ります。

当店ではしばらくこの方法でやっていますが、雨漏りは大丈夫みたいです。

エプトシーラーはブチルのような粘着性はありませんが、

3cm幅の防水帯をボルト締めでギュッと圧縮する形になりますので、

恐らくかなり信頼性は高いのではないかと考えております。

 

で、完成写真・・・と言いたいところですが、暗くなってしまったため撮れずじまい。

Z3は結構やっているのですが、いつも写真撮れないんですよねぇ。

 

 

さて、我が家のTHE・下駄グルマ、プントくん。

あれ、意外と壊れないかも?と油断していたら、

ここ最近いよいよイタ車としての本領を発揮してまいりまして(まぁ14年落ちですし)、

フロント左ワイパーが動かなくなり、続いて右も動かなくなり、

リアワイパーが根元から折れて脱落し、

センターパイプは腐って排気が漏れ、

エアコンもなんだか効かないし、謎オイルもそこかしこから漏れてるし、

今何キロで走っているのかもよくわからないし、

エアバッグがちゃんと出るのかどうかも怪しい、

バックで坂道駐車するとエンストするし(CVT)、

少々雲行きが怪しくなってまいりました。

 

まぁ、思い返してみれば元々色々なトラブルはありましたけれども、

単発だったのでその都度適当に直して乗っておりました。

が、ここ最近は同時多発的になってきたので、はてさてどうしたものか。

致命的なトラブルはないので当面大丈夫そうですが、

ぼちぼち次期車両を考えていかないといけなくなって参りました。

いや、考えたい、ぜひ考えさせてください。

次何にしようかなーって考えている時が一番楽しいのです。

 

それでは、また。