どうもこんばんは。
今月は非常に忙しい・・・・月間施工台数の更新は確実な感じです。
なぜ忙しいかというと、サーブ君に大変手間取ってしまい、その後がつっかえていたからです。
前回の日記でお伝えした通り、骨組みが錆びまくりだったサーブ君。
裏側も盛大に錆びまくり!
幌の前端部をステープルで固定するための台座も朽ち果ててしまっています。
これでも一応、元プラスチックです。
たぶん黒だったはず。
錆を落としたらこんな感じ。
思わず月面着陸したくなるテクスチャ。
一部錆びていない部分もありました。
比べると、錆びている部分でも厚み的にはそこまで損耗していないようです。
凸凹が幌表面に浮き出ないよう板金用パテで補修。
とりあえず適当にざっと盛って、そのあと紙やすりでそれらしく整形します。
まぁ、なんとなくスムーズになっていればOKとしましょう。
こちらは幌のピラー下端部を引っ張るスプリング。
左側はこのようにスプリングが付いているのですが・・・
右側はスプリングがない。
ケーブルだけが寂しげに取り残されています。
うん、きっとスプリングだけ外れて下に落っこちたんだなと思いマグネットで捜索してみると・・・・
ボロッボロに朽ち果てたスプリングの残骸が・・・・・
なぜ右側だけここまで完全に朽ちてしまったのでしょう。
右側だけ錆びた原因はよくわかりませんが、
もう錆びさせないぞ、ということでステンレスの汎用スプリングを買ってきて取付。
手が入らないめちゃくちゃ狭いところに付いているので、スプリングを付けるだけで数時間かかりました。
内張りとパワーウィンドウをすべて外せば簡単だったかも知れませんが、
外し方もよくわかりませんし下手に外して調子が悪くなってもいけないので、
狭い隙間に無理やり手を突っ込んで、なんとかくっつけました。
幌の張り具合の調整もめちゃくちゃ苦労しましたが、何とか完成!
う~ん、相変わらずの個性溢れるスタイリング。
溢れちゃって溢れちゃって、もう大変。
単純にデザインがカッコいいとか美しいとか、そういうのとはちょっと違う。
個性あふれるまくるから、カッコいい。
わが道を貫き通すその姿勢が、カッコいい。
だいたいそんな感じ(個人的見解)
いやぁ、頑張りましたよ。
本当に大変でした。
もうだめか・・・・と何度も思いましたけどもね。
終わってみれば、なんと晴れやかな気持ち。
「この日が来るのは分かっていた。だから頑張れた。」
2016年9月4日 by店長
この型のサーブは国内にあと何台残っているのやら・・・・もう依頼もないかな。
と思っていたら「お店に置いてあるのを見ました!」と別のサーブ900オーナーさんからの問い合わせ。
いやぁ、千葉の片隅の小さなお店でも見ている人がいるもんですね。
ごめんなさい、滅茶苦茶苦労したので次から工賃爆上げです!
続いて、同じく北欧組。
ボルボC70が2台。
そんなに依頼が多いわけでもないのに、なぜか施工時期が被るC70。
白いほうにはTwillfastRPCのボルドーを。
紺のほうにはTwillfastRPCのブルーを取り付けました。
実はどちらも在庫用としてあらかじめ注文してあったものです。
入荷したら幌交換の案内ページを作ろうと考えていたのですが、
入荷する前に意外とポコポコと売れてしまいます。
ニュービートルの幌も同じようにいくつか注文しているのですが、やはり入荷前に売れてしまいます。
意外と需要があるものなのですねぇ。
こちらはメルセデスのSLクラス(R107)。
幌は純正品の持ち込みです。
純正品は目が飛び出るほど高いのかなと思いきや、意外とそうでもないようです。
それでもまぁ社外品の倍以上はしますが。
製造に大掛かりな設備や型が必要な機械部品と違って、
幌は布とスクリーンを縫い合わせるだけですから、
古い車種でも意外と簡単に製造出来るのかもしれませんね。
ちなみにメルセデスは古い車でもネジ1本から全て部品が出るそうです。
フェラーリもそうらしいですね。(いわゆるフェラーリ・クラシケというやつ)
フェラーリなんて、作るだけ作ってあとは放ったらかし、
「自分で勝手に維持してね!今レースで忙しいから!」
みたいなラテンのノリを想像していましたが、
意外としっかりしているのですね。
(ただし、部品の欠陥はあまり改善しないそうです。
いつ何時頼んでも、同じ欠陥を抱えた部品が出続けるとか・・・byイタ車屋さん)
日本では、ついにマツダもNAロードスター向けに同じようなサービスを開始するようですね。
ただ新しいものを作るだけでなく、過去の遺産も大切にするという新たなステージに一歩踏み出しわけです。
楽しみですね。うちのNAロードスターも新車同様に戻してもらおうか。
やっぱり200万くらいはかかるのかなぁ。
まぁそれで歴史的名車(?)がメーカーの手によって新車同様に蘇ったら安いものかもしれませんが。
話は戻って、リアスクリーンには純正品の証、スリーポインテッドスターが。
30年近く前のオリジナル品と全く同じ刻印です。
代替品ではなく、全く同じものを作っているのが地味にすごいです。
リアスクリーンのど真ん中を突っ切るワイヤーも錆びていたので新品に換えておきました。
ってかこれ・・・・・いるのか?
まぁ「らしさ」を表現するには必須の部品です。
元々スチールワイヤーをビニルでコートしたケーブルを使用していますが、
内部が錆びてしまっていたので似たようなケーブルに交換しました。
これはリアスクリーンの保護布を外す前の写真。
さすがメルセデス純正、養生も徹底していますねぇ。
惚れ惚れする精度の高さと気遣い。
窓部分から切り抜いた布を、保護紙を挟んだうえで再度縫い付けて、保護用にしているのです。
これなら安心して作業できますね。
う~ん、さすがだなぁ。
ちなみに、純正だからたいして苦労もなく簡単に張れるのかなと思いきや、
やはり社外品と同じように、これでもかというくらい引っ張らないと張れない仕様になっていました。
純正でも社外品でも、やはり幌というのはそういうものなのですね。
メルセデスがそうするならそうなのでしょう。
それでは、また。